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建売住宅断熱への道① コンセントからの冷気流入をDIYで塞ぐ

エアコンを止めるとあっという間に家が(暑くなる|寒くなる)…

日本の戸建て住宅は、2024年からようやく新築の省エネ基準が高くなりはじめ、認証がない新築は住宅ローン減税の対象外になりはじめている。

とはいえ、既存住宅の大半は薄い壁・スカスカの構造であり、UA値やC値なんぞ知ったことではないという建物が大半だろう。

我が家も多分に漏れず、長期優良やBELSの星など取っていない建売住宅だ。

気密が怪しく、換気はショートサーキットを起こしているっぽいし、エアコンを入れても何となく冷気が床に出てくる。そんな家だったが、冷気のもとをたどると、どうやらコンセント・スイッチボックス周りから冷たい空気が染み出しているっぽいことがわかった。

断熱気密を謳わない住宅ではコンセントカバーを外すと外気に近い温度の空気が流れてくる

カバーを外すと、冷気がブワっと出てくる。

外壁に面している箇所は特に顕著で、こんな場所が部屋に何カ所もあったらそりゃ断熱もクソもないなという状態。

ちゃんとした高断熱・高気密の家はこうした部分の隙間もきっちり加工されて室温が保たれるようになっているのだが、建売のローコスが正義とされる木造住宅ではそんな配慮は存在しない。

そこで、後付けで建売住宅の気密をちょっとマシにしている先人たちに倣って、家中の隙間を減らすことにした。用意するものは、パナソニックの防気カバーと、気密テープだ。

家のすべての箇所をカウントして、2連・3連もあわせて調達。

正しい施工プロセスは、電線を外して防気カバーに突き刺すという手順だが、これは電気工事士の資格が必要な行為。

自宅で自分のためにやる分には大した問題は発生しないと思うが、専門知識が無いと「これだけはやってはいけないライン」というものが分からない。

そんなわけで、無資格でもできる「カバーに切れ込みを入れていい感じに線を通し、隙間はテープで貼り合わせてなかったことにする」という力技をやってみた。

カバーに切れ込みを入れ配線を逃がし、取り付けをイメージする

作業は非常に単純だ。

  1. カバーを外し、ボックスへのねじ止めしてあるフレームを外す
  2. 配線の出ていく方向を見極める
  3. 無理なく配線できる部分から切れ込みを入れる
  4. 配線を逃がしながらカバーを装着する
  5. 気密テープで切れ込みや隙間をふさぐ
  6. ねじ止めしなおしてカバーをつけなおす

これだけ。3連になってくると切れ込みの形状が複雑になりやや大変だが、ほとんどは1連で済むのでトータル作業は2時間ほどで済んだ。

作業は電動ドライバーがあると楽。

配線逃がしの切れ込みを気密テープで塞ぐ

切れ込み効率的に入れて、気密テープで塞ぐ手順は立体パズルを解いているようで楽しくなってくる。

もちろん、正規の作業手順に比べれば、気密度は低い。とはいえ、そもそも家全体の躯体に対する加工をしていないので、作業の丁寧さを多少失ったところで、全体への影響は軽微だろう。

カバーを戻すと、空気の流入が露骨に減ったことが分かる

カバーを付けた状態で手をかざすと、まったく風の流入を感じない。

床にゴロ寝すると寒い気流を感じていた家だが、少なくとも足元と立った時の頭の高さで露骨に温度が変わる…ということはなくなった。

家全体で考えると、コンセントボックスの「穴」の大きさはなかなかのもの。

資材自体は数千円で揃うので、なかなか投資対効果の高い作業だった。